詰込み型記憶とストーリー型記憶

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詰込み型記憶とストーリー型記憶

記憶は「詰め込み型の記憶」と「ストーリー型の記憶」にも分けることができるというのは分かりますよね。「歴史は流れで覚えたら忘れない」というのはみなさん知っているノウハウだと思います。これは「ストーリー型の記憶」の記憶保持力が高いためです。年表などのゴロ合わせも、たいてい「ストーリー型の記憶」が使われます。

では、それぞれに得意な年齢があるというのはご存知でしたか?年をとって「最近忘れっぽくなったな」とは万人が痛感するところだと思いますが、これは「詰め込み型」の記憶力が衰えるせいです。この現象は実は意外と早い年齢で始まります。中学にあがった後はどんどん「ストーリー型の記憶」が得意分野になっていくのです(先日お話した「勉強の黄金パターン」は、この「ストーリー型の記憶」の中でも正統派に属するものです)。

受験戦争が過熱するにつれ、小学生が「詰め込み型の記憶」を得意とすることに乗じて、どこの進学塾も「詰め込み型」の指導に躍起になってきました。そのこと自体を否定するつもりはありませんし、むしろ「詰め込み型の記憶」なくして中学受験を乗り切ることはまず不可能だと断言してもいいでしょう。

しかし、「詰め込み型」一辺倒の勉強から中学にあがっていきなり「ストーリー型」の勉強に切り替えるのもまた難しいところです。こういうケースでは「せっかく合格したのについていけない」という悲劇が生じがちです。

受験がゴールではない、というのはこういうところでもいえると思います。合格後を見据えて、「詰め込み型の記憶」と「ストーリー型の記憶」を両方使いこなせるような勉強方法を意識的に取り入れてあげて欲しいと思います。

2012/11/20

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